自己卵子・受精卵(=胚)凍結保存

1.にんようせい温存のための未受精卵・受精卵(=胚)の凍結保存

凍結作業

がん等原疾患の治療が完了し妊娠を希望する時期まで、未受精卵子や受精卵(=胚)を凍結保存をしておくことにより、にんよう性を温存することができます。

16歳以上で未婚、かつ、がん等の原疾患の治療においてにんよう性温存治療を行うための期間的猶予のある女性の患者さんは、未受精卵子を凍結保存します。

未受精卵子は、胚や他の体細胞に比べて細胞体積が極度に大きく球形であるため、浸透圧変化による影響を最も受けやすいという特性があります。
そのため、これまで、未受精卵子の凍結保存は難しいとされてきました。

2000年代に入り、ガラス化法が確立され、今では、技術的には、半永久的に卵子の保存が可能となりました。

16歳以上で既婚、かつ、にんよう性温存治療を行うための期間的猶予のある女性の患者さんは、受精卵(=胚)を凍結保存します。

受精卵も卵子凍結と同じようにガラス化法による凍結を行います。
受精卵の状態で凍結することにより、細胞数が多くなることで、凍結・融解の損傷を受けても生存率が高く、移植後の着床率が高いためです。

<ガラス化法による自己卵子・受精卵凍結保存技術>

ガラス化法による凍結保存技術

2.未受精卵子・受精卵(=胚)凍結の流れ

クライオトップ

未受精卵子・受精卵(=胚)の凍結は、ガラス化法と呼ばれる凍結方法で行われます。

採取した卵子に高濃度の凍結保護物質を添加した溶液をつけてクライオトップ(幅2ミリのプラスチック製の細長い棒)に乗せ、それをマイナス196度の液体窒素に浸して瞬間凍結します。

ガラス化法の技術を用いた場合、胚・正常卵子の場合には、約90~95%の生存率が得られています。また、凍結融解後の児1,000例の調査では、自然妊娠の児と比較して差異はなく、特に異常を認めてはいません。

「がんでもママパパ」を運営している京野アートクリニックにおいて、2001年4月、日本で初めて凍結未受精卵(緩慢凍結休息融解法)による出産が実現しました。

その後、2005年にガラス化法で凍結した受精卵による出産、2009年には凍結した精子と卵子から受精した受精卵において出産を実現しています。

卵巣摘出の場合にも、卵胞から卵子を採取し、凍結保存します。その際に、未成熟卵子の場合には、体外培養を行ったうえで、凍結保存します。

3.凍結物の凍結状態の継続

がん等の原疾患治療終了後、妊娠を希望する時期まで凍結物の凍結保存を継続することができます。ただし、凍結保存継続や融解に関して、制約条件がありますので、凍結を依頼する医療機関で確認が必要です。

※本サイト運営者である京野アートクリニックでは、凍結の保存期限は、患者様のお申し出により1年更新としています。凍結保存期間内に夫婦が離婚した場合、妻が生殖年齢を超えた場合、一方または、二人ともに死亡あるいは行方不明になった場合には、凍結保存物を廃棄することを患者さんにご理解いただいております。