卵巣切片の融解・移植

1.卵巣切片の融解

凍結保存しておいた卵巣切片を融解し、移植します。

凍結していた組織を融解する際は、凍結保護剤を取り除く作業を行います。TS(融解液)、DS(希釈液)には凍結保護剤が入っており、少しずつ凍結保護剤の濃度を低くしていきます。

融解1

↓

融解2

↓

WS(洗浄液)には凍結保護剤が入っておらず、WS液にて洗浄の作業を行います。

融解3

↓

融解4

↓

洗浄作業が終了したら卵巣切片を移植します。

移植・培養

2.卵巣切片の移植

卵巣切断の移植

卵巣切片の移植には、

  • 正所移植
  • 異所移植

があります。

「正所移植」としては骨盤腔内・後腹膜腔、卵巣断面に、「異所移植」としては、腹直筋、前腕などに移植することをいいます。
卵巣機能は、移植後4.5~5ヶ月で回復し、数年(5年以内)機能します。

3.卵巣切片の移植による出産例

残念ながら、国内においては、倫理上の問題等により、卵巣切片の移植手術の実績がある医療機関はまだあまりないのが実状のようです。

世界においては、6例の出産例があります。

がんや白血病など悪性腫瘍の治療を行う患者さんが、抗がん剤や放射線治療後にも妊娠できるという希望を持てるよう倫理的にも技術的にも確立したものにしていく必要があります。