がん治療がにんよう性に及ぼす影響

抗がん剤とその治療方法が女性のにんよう性に対して影響を与えるといわれています。

抗がん剤は、卵巣に対し機能障害を起こす作用をもっております。また、治療法により卵巣へ様々な影響を与えることを示すデータがの影響が異なることも数多く報告されています。

一方で、それらの薬剤や治療方法が、卵巣におよぼす影響、特に長期的な影響については、明らかにされていない点もあります。

内服薬

男性に関しても、抗がん剤の使用と乏精子症あるいは無精子症との関連を示すデータが報告されており、がん治療がにんよう性に影響を及ぼしていることが知られています。

今後も、がん治療に関しては、新技術や新薬が開発されていくことでしょう。がんの治療効果としてだけでなく、にんよう性女性の卵巣機能との関係性の観点からも、検証していく必要があると考えます。

1.化学療法

化学療法は、薬物療法といわれる薬を使う治療法のひとつで、がんの場合、抗がん剤、ホルモン剤、免疫賦活剤などに使う療法がこれに相当します。

抗がん剤は、一般的に副作用といわれる薬物有害反応が強い薬といわれています。
薬によって薬物有害反応の種類や程度は異なり、悪心、嘔吐、脱毛、白血球減少、血小板減少、肝機能障害、腎機能障害などの症状が現れるといわれています。
また個人差もあります。この薬物有害反応のひとつに、女性のにんよう性への影響があります。

化学療法開始後1年以内に生じる3ヶ月以上の無月経をchemotherapy-related amenorrhea(CRA)と呼びます。
CRA発生に関与する要因は、患者さんの年齢、化学療法の期間、薬剤の種類が挙げられます。
化学療法に使われる薬剤は、卵胞内での卵子の成熟を阻害したり、前胞状卵胞といわれる卵巣の中の発育していない卵子を含む卵胞そのものを減少させたりするといわれています。

例えば、乳がんの治療のためにCMF(シクロフォスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシル)を3ヶ月以上投与された場合のCRA発生率は、40歳未満の症例で40%、40歳以上では76%との報告があります。

そのほかにも化学療法に用いられる薬剤が治療中の閉経や早発閉経を引き起こすこととの関係が有意であることを示す報告がなされています。

2.放射線治療

放射線の照射量や放射線治療を受けた年齢によって、卵巣機能に及ぼす影響の大きさは変わってきます。放射線照射における長期の合併症は、子宮と出産に影響する可能性も指摘されています。子宮への照射は、自然流産や子宮発育の遅延といった不妊に関与するといわれています。

3.造血器疾患に関する治療法

造血器疾患に関する治療に関しても、にんよう性に影響があることを示す報告がなされています。疾患内容や治療方法により、その影響度合いは異なりますので、具体的な内容については、医師にご相談ください。