にんよう性温存のための精子・卵子・卵巣・胚凍結保存に関する用語集

か行の用語

顕微授精(けんびじゅせい):卵細胞質内精子注入法(Intracytoplasmic Sperm Injection: ICSI)

顕微鏡下で髪の毛より細いガラス管を使って、1個の卵子の中に1個の精子を直接注入する方法です。体外受精で受精しない場合や、男性不妊で体外受精では受精が難しい場合に行う方法です。極少数の精子で受精・妊娠させることが可能です。

顕微授精

さ行の用語

採卵(採卵)

体外受精や顕微授精などの際に、卵を採取することをいいます。経超音波下で十分に発育した卵胞に針を刺し、卵胞の中の卵胞液と卵子を吸引して行います。

受精(じゅせい)

受精

卵子が精子と一緒になって、母親の遺伝子と父親の遺伝子が融合することです。受精した卵子を受精卵(胚)といいます。

精液検査(せいえきけんさ)

男性に対して行われる検査で、精液量、精子数、運動率、奇形率などを調べる検査です。現在、不妊の原因は男女共に1:1といわれている為、男性の検査も重要となっています。3~5日間の禁欲期間が望ましいと考えています。

<精子無力症(せいしむりょくしょう)>

精子の運動率が、50%未満の状態をいいます。

<乏精子症(ぼうせいししょう)>

精子の数が精液1ml中に2千万未満の状態のことをいいます。

<無精子症(むせいししょう)>

精液中に精子が存在しないことををいいます。精子が作られていない場合と射精されるまでの過程で精子が輸送されていない場合があります。

<非閉塞無精子症(ひへいそくむせいししょう)>

精液検査

精子の通り路は通っているが、精巣内の精子をつくる造精機能に何らかの問題があり、精液中に精子が認められていない状態のことをいいます。原因は不明ですが、一部にはクラインフェルター症候群などの染色体異常の人に見られます。クラインフェルター症候群は男性1000人に1人の割合で存在するといわれています。

<閉塞性無精子症(へいそくせいむせいししょう)>

精巣には精子をつくる造精機能はあるが、精巣からの精子の通路が閉塞している状態のことをいいます。原因には、生まれつき精管が欠損している、精管欠損症や避妊のパイプカット(精管の結紮)の後、ソケイヘルニアの手術にて精管が閉塞している、両側精巣上体炎などがあげられます。

精巣内精子回収法(せいそうないせいしかいしゅうほう):Testicular Sperm Extraction(TESE)

無精子症の場合に行われる外科的手術で、精巣組織を一部回収し、その中から精子を探し出し顕微授精に用います。

生殖補助医療(せいしょくほじょいりょう):Assisted Reproductive Technology(ART)

体外受精や顕微授精などの高度な技術を必要とする不妊治療のことです。女性の卵巣から卵子を体外に取り出し、男性の精子と受精させ、卵管の環境に近い培養液の中で培養します。その後に女性の体内(主に子宮腔内)に受精卵を戻す治療のことです。

た行の用語

多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん):Polycystic Ovarian Syndrome(PCOS)

体外受精や顕微授精などの高度な技術を必要とする不妊治療のことです。女性の卵巣から卵子を体外に取り出し、男性の精子と受精させ、卵管の環境に近い培養液の中で培養します。その後に女性の体内(主に子宮腔内)に受精卵を戻す治療のことです。

男性不妊(だんせいふにん)

男性側に不妊症の原因がある場合のことです。

着床(ちゃくしょう)

受精卵は、細胞分裂を繰り返して胚盤胞となり、子宮内膜に進入します。こうして胚と母体の間に生物的な結合が成立した状態を着床といいます。

凍結保存(とうけつほぞん)

体外受精や顕微授精によってできた受精卵を液体窒素の中で凍結し保存する方法のことです。胚移植後の余剰卵の有効利用や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の予防、着床率、妊娠率の向上などに利用されています。

透明帯開孔法(とうめいたいかいこうほう):Assisted Hatching(AHA)

胚移植前に胚の透明帯(周りを覆っている殻の部分)を開孔したり、薄くしたり透明帯からの脱出を助けて、着床率を上げようという試みです。良い受精卵を何回胚移植しても着床しない場合、または凍結胚移植の場合に行います。

胚移植(Embryo Transfer: ET)

体外受精や顕微授精によってできた受精卵(胚)を子宮に戻すことです。

は行の用語

胚盤胞(はいばんほう):Blastocyst

胚盤胞

受精してから5~6日目の受精卵では、この状態になっているのが理想とされています。この時期になると、将来胎児になる細胞群と胎盤になる細胞群にわかれています。

胚盤胞移植(はいばんほういしょく):Blastocyst Transfer

体外受精や顕微授精の後に受精卵を5~6日培養し、着床直前の段階(胚盤胞)まで発生したことを確認してから胚移植を行う方法です。採卵後培養した2~3日目の形態良好胚を何度戻しても妊娠しない場合に、最終段階まで胚が発生するかを確認し、さらに子宮内膜と胚の発育段階を合わせ、着床環境を整える目的で行われます。

排卵誘発剤(はいらんゆうはつざい)

排卵を促す薬のことです。注射薬にはhMG、hCG、経口薬にはクロミフェン、セキソビッドなどがあります。誘発剤の作用によって、卵巣が腫れる、腹水がたまるなどの副作用(OHSS)もあるので、医師の指示に従うことが必要です。

ホルモン

<黄体化ホルモン(LH)>

卵胞の成熟・排卵・黄体形成を促すホルモンのことで、脳下垂体から分泌され、卵胞刺激ホルモン(FSH)と協力して働きます。排卵の直接的な引き金となるホルモンのことです。月経中に測定します。

<黄体ホルモン(プロゲステロン:P)>

排卵後に卵胞は黄体と呼ばれるものに変化します。この黄体から分泌されるホルモンのことで、基礎体温を上昇させたり、受精卵を着床しやすくさせたりする働きをします。高温期に測定します。

<卵胞ホルモン(エストロゲン:E)>

卵胞周囲から分泌されるホルモンで子宮内膜を厚くし、頸管粘液を分泌する働きなどがあります。月経中、高温期に測定します。

<卵胞刺激ホルモン(FSH)>

脳下垂体から分泌されるホルモンで、卵巣に働きかけて卵胞の発育を促します。また少量の黄体化ホルモン(LH)とともに卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌も促します。月経中に測定します。

<プロラクチン(PRL)>

乳汁の分泌を促進させる為のホルモンです。このホルモンが高いと月経不順や排卵障害を引き起こします(高プロラクチン血症)

<テストステロン(T)>

男性ホルモンです。

ら行の用語

卵巣過剰刺激症候群(らんそうかじょうしげきしょうこうぐん):Ovarian Hyperstimulation Syndrome(OHSS)

排卵誘発剤によっておこる副作用のひとつです。たくさんの卵胞ができることにより、卵巣腫大、腹水貯留、乏尿、血液濃縮、血栓などがおきます。重症になると入院が必要になります。また妊娠すると重症化しやすくなります。

卵巣刺激(らんそうしげき)

排卵誘発剤を使用し卵胞を育てることをいう。排卵障害がある場合に対して排卵を起こす目的と人工授精や体外受精の際にたくさんの卵を育てることで妊娠の確立を上げる目的で行われる。

卵胞(らんほう)

卵巣内にある卵子の入っている袋のことをいいます。中は卵胞液と呼ばれる液で満たされています。排卵前には直径20mm程度の大きさにまで成長します。

お薬の説明

<アンタゴニスト>

作用:卵巣刺激中のLHサージを抑制し、早期排卵を阻害する目的で使用します。点鼻薬と異なる点は速やかにLHを低下させることが出来るため投与期間が短くなります。

副作用:注射部位の発赤・腫脹・掻痒感・疼痛、嘔吐、頭痛などがあります。

<HMG-FSH>

作用:排卵誘発剤。閉経後の女性の尿から抽出したものです。HMGとFSHの違いは卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の構成の比率によって呼び方が異なります。

副作用:注射部位の発赤・腫脹・掻痒感・疼痛、多胎妊娠、卵巣過剰刺激症候群、などがあります。

<HCG>

お薬

作用:黄体化ホルモン(LH)の作用があります。卵胞を成熟させる作用と黄体を刺激する作用があります。

副作用:注射部位の発赤・疼痛・掻痒感・腫脹などがあります。

<クロミフェン>

排卵誘発に用いる薬です。卵巣から出ている卵胞ホルモン(エストロゲン)の働きを押させることで、脳下垂体から出ている卵胞刺激ホルモン(FSH)の量を増やして、排卵を促す働きがあります。